Q1:最後の段落が印象的でした。これから別府はどのような場所になっていくのでしょうか。これからどんなことが起こるのでしょうか? 山出さんが思い描く、これからの別府の姿や夢を教えてください。(団体職員)
具体的なことは、まだこれから別府や県内の皆さんと相談しながら進めていきますが、そうやって相談できる方々がたくさん増えてきたことがうれしいです。これからのビジョンは、5月に発行を予定している書籍「BEPPU PROJECT」で発表しますね!
Q2:地域活性化など、さまざまな課題解決の方法としてアートが選ばれた場合、企画のはじめの段階でアーティストの話を聞くのだろうと思っていたので、「プロデューサーや企画者に話はきても、もう1人の当事者であるアーティストの声を直接目にする機会が少ない」とあり、驚きました。それはなぜでしょうか。
アーティストは誰かの課題を解決するために活動しているわけではない、という点は理解できますが、実際に作品をつくるのはアーティストで、彼らの声は重要だと思います。
単純に、アーティストの声を聞く場が少ないのでしょうか、それとも、それは作品などを通して表現するべきで、まだ声を聞く段階ではない、ということなのでしょうか。(会社員)
まったくないのではなくて、少ないなと思います。僕が目にする、耳にするのはオーガナイズしたり、大学など組織に属す方が多いようにも感じます。多く声の代表者として意見を聞きたいということもあるのでしょう。
まだ、一般的にアートは社会化されていない現状で、仕組みをつくらないとアーティストが発表する機会も限定されてしまうから、われわれのような中間支援組織のようなアートNPOが、アーティストの声を代弁していくことも必要ですね。
来別するアーティストのトークイベントをまちなかで行うことも
(2016年2月22日)
山出淳也 photo: Takashi Mochizuki
NPO法人 BEPPU PROJECT代表理事/アーティスト photo: Takashi Mochizuki
1970年大分生まれ。アーカスプログラムによるレジデンス(茨城県、1996-7)、ACCによる助成を受けNY、PS1でのインターナショナルスタジオプログラム参加(2000-1)。ポーラ美術振興財団の助成による欧州滞在(2002)。文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002-2004)。帰国後、地域や多様な団体との連携による国際展開催を目指して、2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ現在にいたる。別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」総合プロデューサー(2009、2012、2015)、国東半島芸術祭 総合ディレクター(2014)、おおいたトイレンナーレ 総合ディレクター(2015)。平成20年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(芸術振興部門)
アーティストとして参加した主な展覧会として「台北ビエンナーレ - THE SKY IS THE LIMIT」台北市立美術館(2000-1)、「my home is yours, your home is mine」ロダンギャラリー、ソウル(2000-1)、「GIFT OF HOPE」東京都現代美術館(2000-1)、「Strangers」PS1、NY(2001)、「PROJECT No.26」メキシコシティ(2001)、「Exposition collective」Palais de Tokyo、パリ(2002)、「PROJECT No.20」John Michael Kohler Arts Center、アメリカ(2004)、「Weird walls」オランダ(2005)など多数。
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