ネットTAM


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あと4年。

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©Relight Project

「アートに携わる方々が2020オリンピックに向けて現場がどのように思い、考えているのか? 日々の仕事や最近注目していること、関心事などを通して自由に書いてくれ」というテーマでネットTAMの連載コラムの2回目のスーパーバイザーを引き受けることになりました。みなさまどうぞよろしくお願いいたします。2016年となり、あと4年で東京オリンピック。4年前を思い返すと、大分県別府市で開催された国際芸術祭「混浴温泉世界2012」の準備まっただなか。あれから4年が経つと思うと、やはり早いですね。

私は普段、アートプロジェクトを軸にさまざまな領域をつなぎ社会の課題を可視化させたり、その解決やイノベーションを生み出すことを仕事にしていますが、今のところ東京オリンピックの文化プログラムとの直接的なかかわりはなく、2020に向けて特別な意識を持つこともほとんどありません。昨年10月にはオリンピックのリーディングプロジェクトとして「東京キャラバン」が行われるなど周りではぼちぼち動き始めていることは知りながらも、どこかまだ先の話というイメージがあります。

東京オリンピックに関する論考についてはすでにネットTAMなどに多々公開されており、今回の連載ではそうした全体を俯瞰して東京オリンピックの文化プログラムを考察することはしません。むしろもっと具体的な視点からオリンピック文化プログラムを考える機会をつくりたいと考え、今回は各執筆者に自分の興味や関心と結びつけ2020年までに実現してみたい文化プログラムを構想してもらう「20万分の1のプロポーザル」を連載テーマとしました。20万という数字は、文化庁が2020年までに全国各地で20万件の文化プログラムを実施するという、文化庁の基本構想を参照しており、文化芸術の領域に留まることなく地域づくり、ビジネス、教育、テクノロジーなどさまざまな領域と接続させ活動している方々に執筆をお願いしていきます。

執筆者からどんなプロポーザルが出てくるか、読者のひとりとして楽しみにしております。

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©Relight Project
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©Relight Project

(2016年3月22日)

今後の予定

4月29日 15:00〜 MAD Cityでトークします。詳細はこちら

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次回執筆者

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20万分の1のプロポーザル 目次

1
あと4年。
2
ふつうの仕組みを解体する
ーCreative Disruptions of Everyday Norms—
3
自由な脳と身体の協働の場として
4
一方的な文化発信のためのアートか、市民社会活性化のためのアートか

5
参加と共創による文化創造が、2020を越える地域の未来をつくる
─都市デザインから見る文化プログラムの役割
6
オーケストラのもうひとつの道
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