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本講座のコーディネーターをお引き受けするにあたり、正直なところ私の中にアートマネジメントという言葉への抵抗感があった。経済というにはあまりにパイの小さな予算の中での小さなやりくりをしている者にとって、マネジメントというかっこいい言葉はなじみにくく、逆に汗の匂いの希薄な言葉に響いていた。 講座は美術館のマネジメントに終始する結果となり、ノウ・ハウの提供やアートマネジメント全般での議論の欠如に物足りなさを感じた参加者の声も聞かれた。ただ、日本という国の中でアートを支え広めるにあたって障害となることがらは、美術館しかも公立の美術館における問題にかなり集約されるに違いないと考えている。また基本理念を中心とした議論も、「マネジメント」に対して個々の参加者が抱くイメージの多様さ、問題意識の差異をあらわにしたが、そのことが逆に本セッションの意義ともなったと思われる。 小さなやりくりとアートマネジメントの基本理念との落差、つまりは私自身の抵抗感を本セッションを通して示し、同時に解消させたいというひそかな目論見が功を奏したかどうかは計りかねるところである。だが理念の実践のための必要性と、意義ある汗のための方向を参加者、パネリストを問わず共有できたことは、それぞれの荒れ地を耕す糧となったと信じたい。 [京都市美術館学芸員 中谷至宏/98年7月] |
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