2020年3月、コロナの影響で公演数が徐々に減り始めました。
56ページで発行しているフリーペーパー『カンフェティ』も一時期は20ページまで減少、掲載が決まっていた公演でも、実施できるかどうかが分からなくて、場合によっては掲載を取りやめる、というケースもありました。弊社では、他にチケット販売やチラシ印刷なども行っているので、様々な部署で同様の事象が起こりました。特にチラシの印刷数は極端に減少し、長年続けてきた「劇場折込代行サービス」も休止せざるを得ない状況となりました。

ただ、このまま立ち止まっているわけにはいかない。

17年前、「芸術団体のサポート」を目的に始めた会社です。こういう有事の時こそ、今、みんなが切実に必要としているものは何か? をひたすら考え、スピード感をもってサービスを発信・提供することが使命であると気づき、そこから次々と新サービスをスタートさせました。

まず始めたのは、観客向けのフェイスシールド無料配布でした。
次に主催者向けには、非接触型の体温計、フェイスシールド、ゴム手袋など、公演を実施するために必要なものを揃えて「ウイルス対策7点セットの無償貸出サービス」、稽古場用に「透明マスクの無料配布」などを行いました。
長引くコロナ禍で、中小規模の団体でも配信を始める主催者が徐々に増えてきたこともあり、昨年の秋には「カンフェティ Streaming Theater」という配信のプラットフォームを立ち上げました。
今年に入ってからは、保険会社とタッグを組み、万一イベントに行けなくなった場合でも、理由が条件を満たせばチケット代金の9割を補償する「キャンセル補償」、昨年やむなく終了した劇場折込代行に変わる新しいサービスとして、劇場折込の進化系アプリ「シアティ」をリリースしました。

コロナが収束しても、元戻りになることはまずあり得ない。だとしたら今後、この業界はどういう風に変化・発展を遂げていくのか? まだ誰も正解を知らない、でも未来を予見して走り出すことはできる。たとえ間違っていたとしても、エンターテインメントの灯を消さないために、常に芸術団体に寄り添いながら、止まらず走り続けていきたいと思います。

「今日の卓越性は明日のスタンダード」
つい途方に暮れそうになった時は、若い頃から大好きなこの言葉が心に沁みて、私を奮い立たせてくれます。
混迷するこの業界を憂いたり感傷に浸っている暇はない。かすかな光でも、再興そしてさらなる飛躍を信じて前へ進みつづけようと思います。