ネットTAM

Voices〜みんなの声座〜

私たちは長い歴史の中で
星を見上げ、それらをつなぎ星座と呼ぶことで
さまざまな想像を育んできました。

今、表現の喜びや大きな困難を前に
芸術に携わる人々の声を見上げつなぐことで
答えや方法が決して一つでないことを知ります。

さまざまな分野で表現と向き合う人の声を集めました。
そこから、どんな星座が見えてくるでしょうか。
あなたの今の声を届けてください。

震災と文化的コモンズ
今年もまた、大きな地震がありました。 被害に遭われたみなさんに、なんと言えば良いのか、、、 とても心配していますし、お身内や近しい人を亡くされた方には心からお悔やみ申し上げます。 そして今日
イチゴーゴーゼロの夢―9年後の自分に問う
9年前、ネットTAMリレーコラムの衣替えをお手伝いした流れで、新リレーコラム初回を担当した。未来を託したくなる方々に「イチゴーゴーゼロの夢」(1550億円あったら何をしたいか)を綴っていただいた。刺激
アートマネージャーとして生きる
キュレーターでもプロデューサーでもディレクターでもアーティストでもない。アートマネージャーの仕事は、名のある人たちの裏側で名もなき仕事に奔走し、現場を円滑に回すことかもしれない。それはまるで名もなき家
積み重ね、育み続けること
 2024年に開館70周年を迎える神奈川県立音楽堂には、なんと56年間*も続いている主催公演がある。「音楽堂クリスマスコンサート 『メサイア』全曲演奏会」である。ヘンデルの大曲をカットなしで、アマチュ
モスクワの友人を想う
今月初め、新型コロナに罹患した。 往復50時間を超えるフライトの疲れで、免疫力が低下していたのが原因かもしれない。それは、サンパウロで開催されたWorld Cities Culture Forum(
最後の仕事
コロナ禍での数々の行動制限により、生身の身体と接すること、ライブでの身体表現の価値をあらためて実感した人も多いに違いない。 しかし日本ではそんな身体をメディアとしたダンスの創作&上演環境が、アート界
このツケをどうやって払うのか?
もちろん責任はわたしにもあるわけだが、この20年間の「わたしたち」の劣化は凄まじいものだ。効率的になれと叫ばれ、「成果」を上げろ、「成果」を上げろと求められるが、その「成果」というものも非常に短期的な
「みんなで一緒に舞台を楽しもう!」が当たり前に
観劇すると、大量の折り込みチラシをもらう。以前はさみしい思いをもって眺めていた。最近は熱心にチェックしている。なぜなら、観劇サポートがつくことがあるからだ。先日は40枚ほどのチラシのうち、3,4枚が該
言葉を希釈する時代に生きている
SNSを見ても、テレビを見ても、私たちの心をくすぶろうとするキャッチコピーが視界に入ってこない日はない。特に社会が狂騒の只中にあったり課題に直面しているときに流通している言葉は、文脈や本当の意味を隠す
⼿放してはいけないもの、変えなければならないことを思い出すために
2020年4月からnote(https://note.com/ap_sato)に日々の出来事を書き留めていた。その日にあったことや気になるニュース、思い出したことをWordにメモし、約1ヶ月半後に1週
向き合うということ
様々な電子機器が私たちの感覚と世界との仲立ちするようになって久しく、インターネットは現代社会において既に不可欠なものになりつつあります。それに加えて、コロナ禍における様々な規制の対応策としてその力が大
アーティストという立場について
忘れもしない2020年3月12日、私はドイツのベルリンにいた。日独の芸術団体間の交換プログラムの一環でアーティスト・イン・レジデンスをしていたためだ。展覧会オープニングに向けた準備を進めていたところ、
戻る先
 私が勤務するロームシアター京都では、今年度のメインホール(約2,000席)の稼働率は8割を超える見込みです。実はコロナの影響を受ける前の年度の稼働率以上になっており、劇場が静かで誰も来ない日が続いて
それでもやはり、伝統文化を今に繋ぐ
私たちが知っている2020年までの社会は、経済的発展を価値に据えてひたすら前進と上昇を繰り返すものではなかっただろうか。しかしその前進と上昇に急ブレーキをかけたコロナ禍は、視線を前方から後方、上方から
ミュージカルとコロナとスタオベの関係
ミュージカル人気の勢いが止まらない。ストレートプレイを中心に見れば、かろうじて横ばいの舞台芸術市場は、コロナ禍前から2.5次元を含むミュージカルによって右肩上がりになっていたが、この数年、その存在感は
想像力の源泉を枯れさせない
2022年3月末日をもって、BEPPU PROJECTの代表を退任しました。 2005年に任意団体として発足・翌年法人化してから、かれこれ17年間。紆余曲折はありましたが、ここまで継続できたこと、改
「文化芸術による復興は、これからが本番です」
東日本大震災によって甚大な被害を受けた三陸沿岸は、郷土芸能の宝庫です。震災を機にその郷土芸能に出会って、2014年三陸国際芸術祭が始まりました。芸能を外のアーティストが習うこと、芸能を様々な形で観ても
学び続けることの大切さ
近年、舞台芸術業界でもハラスメントが大きな問題となっている。 私自身は現在40歳だが、キャリアが浅い20代の頃には、演出家が灰皿を投げたとか、俳優を足でけったとか、深夜3時にダメだしでファミレス
危機の時代を生き延びる
2021年12月。期せずしてコロナ禍での制作となった編著書『危機の時代を生き延びるアートプロジェクト』を出版した。このようなタイトルになったのは、タイミングはもちろん、震災から10年を射程とした事例の
音と心が震えるということ
リハーサルが始まる前の空っぽの音楽ホールには、完全な静寂が広がっている。そこに演奏家が登場し歌を歌い楽器を奏でると、その音の振動は空気を伝わり、ホールを響かせる。その響き、音楽は、ホールに集い聴く私た
演劇が文化財になる日?
 日本の演劇のアーカイブ化が密やかに進行している。2020年に新型コロナ対策の文化庁支援で始まった「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)」は、劇作家・演出家・出演者などに分散
それから
鬱病を患った友人の自死と遺されたものたちのその後を見つめたドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(2013年公開)を手掛けて以来、メンタルヘルスの改善というテーマは自らに向き合
「オーケストラ活動を止めない!」
少しでも多くの人達にクラシック音楽を聴いてもらいたい。コロナ禍において、どうやって日本のオーケストラを守ったらよいか、日々考えている。「音楽は素晴らしい、演奏を生で聴くのはこんなに素晴らしいんだよ」、
子どもたちに実体験の場を!
 子どもたちはこの2年間をどのように感じているのだろう?マスクをする生活にすっかり慣れた子もいれば慣れない子もいる。友達と身体を触れてじゃれ合うことに抵抗を感じるようになった子もいるかもしれない。神経
今までに、たった2度だけ味わったあの空気。
1度目は、初めて近所で開いたコンサート。2010年の8月に、同じ墨田区両国周辺に住む音楽関係の仕事をする仲間と「近所で何かやりたいよね〜!」と、カバン屋さんの倉庫を借りて開いた投げ銭ライブ。産業とは異
「今日の卓越性は明日のスタンダード」
2020年3月、コロナの影響で公演数が徐々に減り始めました。 56ページで発行しているフリーペーパー『カンフェティ』も一時期は20ページまで減少、掲載が決まっていた公演でも、実施できるかどうかが分か
切実な生活の中で必要な力
2020年の春は一年経っても鮮明だ。名古屋から京都への移住と息子の小学校入学、娘の保育園転園。家族単位での生活環境の変化に加え、コロナによる大きな変容。入学早々に小学校は休校になり、時差はあったものの
芸術は不要不急か。無用の長物か。
これからの数年間は、この問いに真摯に答えていく数年間になるだろう。 芸術がいまだに「余裕のある人の趣味・娯楽」だと思われている現状は、近年の表現を取り巻く動向や、コロナ禍での支援を求める文化芸術関係
当事者性と不確実性に向き合いながら
 コロナ禍でみんな外に出れず、劇場も思うように使えない、ステージでシャウトしてダイブすることもままならない、そんな時代が訪れてこんなにも長く続くとは想像したことがなかった。  もちろん、困ったし
劇場は「生きている」ことを実感する空間
「生きている」ことをどのようにして実感するか―コロナ禍の今、それがとても大切だと思っています。その実感を得ることができる空間の一つが、劇場。生きている人間が演じ、生きている人間が観て、共に笑い、共に涙
開かない幕はないと信じて
舞台をつくる人間にとって、幕は開くものであり、開けなければならないもの、と日々心に刻んで生きているものの、2020年のパンデミック下においては、幕は開けられるのか、という問いの中で過ごし続けた1年でし
芸術とは生きることそのもの
ステイホームという言葉に人々が慣れ始めてから1年近く経つ。仕事は全てテレワークになり、人に会う機会や大好きなコンサートへ出向く機会もほとんどなくなった。今まで過密とも言えた人生が一気に「疎」になり、よ
アートの外側へと届く言葉を育むこと
 2020年ほどアートに触れない1年はなかった。緊急事態宣言の発出以降外出を自粛し、夏休みに少し緊張しながら東京国立近代美術館の「ピーター・ドイグ展」を訪れた時、美術館という空間にいること自体に、とに
創造的に生きぬく時代に
 私は2010年に骨肉腫という病気で、それまで積み重ねてきた人生が完全リセットされて、日常の景色が一変しました。2020年、新型コロナウイルスが猛威をふるい、自宅で過ごす時間が多くなってきた頃に、どこ
2020年:コロナ禍の3月から12月
2020年3月、国内外の劇場で公演を企画・制作する私たちは、ほとんどの全て事業がストップした。 (特に海外公演については、2020年が終ろうとしている今も再会の目処が立っていない。) むこう2年間
稜線
私は「美術手帖」という組織のなかで、企業や団体とアートプロジェクトを企画することを仕事にしているが、近年、構想を練るうえで自然や生態系にヒントを求めることが増えている。地球が誕生し46億年が経つなかで
危機に対応できる制度に向けて
わたしは今この文章を二度目のロックダウン下にあるドイツで書いています。文化施設は再び閉鎖されましたが、その前に補償も決定されました。ドイツの文化芸術支援では、民間諸団体を統括し、前身を含めると1981
尽きていく想像力の後に
戦争や災害をめぐる作品を制作してきた私にとって、COVID-19のパンデミックは、表現活動の対象になるはずでした。国内外からこの歴史的な局面に関しての意見を求められもしました。しかし、答えられないので
心の繋がり
芸術は、乾いた心を潤し豊かにするパワーがある。 コロナで先が見えない自粛期間中、舞台関係者&アーティストの活動資金を助成するプロジェクト「Hearts for Artists」を開催しました。世
移動について
私は秋田と名古屋を拠点としています。そのため2020年3月までは、ほぼ毎週あらゆる交通手段を駆使しこの二地域を中心に移動を重ねてきました。どちらかというと早くて大きな移動ばかりです。移動自体が生活の一
未来につなげる伝統
私は家業である「能」を継ぐにあたり、すべてを己の判断で決めました。それは自分の将来を決めた中学3年生のとき。それ以来、どんなことが起きても続けることがミッションです。 コロナ禍で、今まで通りに活
1/2の客席―座れない椅子のその先に
コロナ禍でコンサートの代替として普及した映像配信は、様々な理由でホールに来場できない人への新たなアクセスになりました。さらに、チャットなどで交流しながらコンサートをヴァーチャルな共同体験として楽しむ音
心の拠り所へ
エンターテインメントの業界が新型コロナウイルスの影響を受け出したと実感したのは緊急事態宣言が出るよりもっと前の2020年2月からでした。 舞台ができない、一生懸命作り上げてきたものを披露できない、そ
音楽はあなたの隣に
生演奏の素晴らしさに勝るものは無いけれど、この数カ月でテレワーク動画、ライブ配信など、聴く人に合った方法で音楽を楽しめるようになったことは、クラシック音楽業界ではとても画期的だったと思います。
郷土芸能、何のため?誰のため?
郷土芸能や祭りって、何の、誰のために続けられてきたのだろう、と自問する日々。科学や医療や情報が発達し世界で、もしかして、祈願や信仰は必要ないのかもしれない。けれど、2020年の私達は、いつもより慎重に
劇場のことば
劇場には、誰かに作品を届けたいという思いと、それを受け止めてくれる方が集まります。 思いを共有出来る場所です。 「今、劇場として出来ることは何だろう?」と、日々考えます。 それはまず
学び直す。やり直す。
 コロナ禍により「人と集まる」「移動する」「対面で大声で笑いながら会話をする」といったこれまで私達が当たり前のように享受してきたことができない状況が続いています。この状況は当然のことながら、アートを触