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コミュニティ・アート・マネジメントな日々



9月1日(木)

 福岡市立壱岐南小学校で14日に実施する「福岡県芸術体験講座」の打合せ。朗読とパーカッションのユニット「語音(かたりね)」のお二人と会場を下見、6年担当の先生方と当日の流れを想定しつつ、準備について話し合う。今年度から始まったこの事業は、県が芸術家による学校授業のプランを登録し、県下小中学校から希望を募って芸術家を派遣するもの。講座実施のコーディネートを「NPO法人子ども劇場福岡県センター」とともに「アートサポートふくおか」が委嘱されている。子どものための芸術環境整備に学校へのアプローチは必須。県の制度として実施すると、県下全域の学校に機会を提供できる。これは行政との連携による強み。でも、芸術体験で生き生きと生きる力を育みたいと考えると、制度のワクからはみだすことも。行政のシステムとしてうまくいかない部分にNPOとしてどう取り組むか、新たな課題が見えてきそう。

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10-02.jpg 14日に実施した福岡市立壱岐南小学校6年生の朗読劇体験。初めての経験にワクワク。

9月4日(日)

 福岡県の「地域文化おこし交流会」で「アートサポートふくおか」の活動について事例報告。昨年福岡県で開催された国民文化祭で、ボランティアをとりまとめる「ボランティア・デスク」として活躍された方々が、今後も活動を継続していかれるそうで、「地域文化おこし交流会」は文化ボランティアの研修と交流の機会として企画されたらしい。学校にアーティストを派遣するコーディネート事業の話を中心に、芸術文化が地域社会にもたらすものについてお話する。もう10年も前になるが、北欧の国々に調査に行き「文化政策は福祉の一部」という考え方に接した話に関心が集まる。

9月5日(月)

 北九州市立足立小学校4年生を対象に「福岡県芸術体験講座」の演劇の授業を実施。講師は劇団座 "K2T3 のお二人。子どもは走る走る走る...。7日(水)は同じ講師で嘉穂町立足白小学校6年生に実施するので、北九州市からの帰途、電車の中で講師と嘉穂町でのプログラム案について打合せ。高学年&少人数、ややシャイな子どもたち。短時間の講座でしあわせな出会いができるよう、一生懸命考える。

10-03.jpg 北九州市立足立小学校4年生。やどかりゲームで盛り上がる。

10-04.jpg 嘉穂町立足白小学校6年生。みんなで1つの木をつくってみる。

9月8日(木)

 夜、「アートと学校・地域のパートナーシップを考える【報告会Vol.1】」開催。今年4月から、子どもと芸術をつなぐNPOや行政系財団のスタッフが集まってコーディネーターの役割について考え、来年度以降の養成講座実施の準備をしている。今回の報告会は福岡以外の地域で同じような活動をしている先進事例のレポートと、まったりとしたディスカッション。予想以上の参加者が集まり、資料が足りなくなる。遠くは熊本からの参加も。芸術と市民のしあわせな出会いに不可欠なつなぎ役がもっと増えてほしい。同時に、芸術と出会うのは「しあわせ」なことだと多くの人に知ってほしい。

10-05.jpg 芸術と学校・地域をつなぐ活動に関心を寄せる人々が集まった。

9月11日(日)

 私が嘱託として勤務する福岡県某市の文化施設では、音楽のアウトリーチ事業を実施している。学校や公民館、個人宅などにプロの音楽家を派遣する制度だ。今年度は開館10周年記念事業として市内6か所でPR版コンサートを実施中。今日のメニューはパーカッション体験とヴァイオリン&ピアノのコンサート。身近な場所で生の音楽を楽しめるとあって人気の企画だけれど、事業が始まってすでに5年。事業の目的や手法を見直す時期かもしれない。この施設は現在、財団法人による運営だが、指定管理者制度に関する議論のなかで、来年度から市の直営になることが決まった。地域における文化施設の役割を吟味したうえでの選択だろうか。議論に関わることができない身としては、直営で財団以上の成果を挙げる体制を整えてほしいと祈るばかり。

9月14日(水)

 午後、福岡市立玄界小学校で打合せ。今年3月の福岡県西方沖地震で大きな被害を受けた、玄界島の子どもたちが通う学校。子どもたちは島ではなく、福岡市本土の仮設住宅で暮らしている。学校も別の小学校に間借り中。11月末に行われる玄界小学校の学習発表会を、芸術家たちと一緒にお手伝いすることになっている。幸いなことに、島の子供たちは今のところとても元気。ただ、大人たちは現在と将来の生活不安に脅かされている。大人の不安が子どもの笑顔を曇らせないよう、子どもの元気が大人を勇気づけることができるようなお手伝いをしたい。子どもたちが語った「島の宝物」をテーマに合唱曲を創作、声楽家の指導で子どもたちが歌声を響かせる。大人も一緒に歌ってくれるといいな。学年ごとに取り組む劇は、島の伝承をもとにしたオリジナル作品や、絵本を原作とした玄界島バージョンの朗読劇など、地域で活躍する芸術家の力を借りて例年以上のものになる。楽しみ。この事業は多くの方に支援していただいている。新潟県魚沼市から寄せられた義援金(昨年の地震で全国から寄せられた好意のお返しとして、小出郷文化会館の榎本さんがコーディネートしてくださった!)、島根学生災害ボランティアネットワークによる街頭募金、フィリップ モリス ジャパン株式会社の助成...。芸術によるコ ミュニティのサポートに賛同してくださる方々に感謝。

(2005年9月18日)

今後の予定

福岡県芸術体験講座は来年2月までに全17校を担当。
コーディネーター養成プレ講座では今年度中にアートと学校・地域の関係づくりを考えるシンポジウムなどを開催、来年度からの養成プログラムを編成する。
10月26日(水)、(財)地域創造「アートアプローチセミナー」講師として「公共文化施設の経営戦略」のコマに登場。
子どもの教育費を自分の教育費に使い込んだ罪滅ぼしに、来春には長女(中学校)、次女(小学校)とトリプル卒業旅行を計画している。その前に、クリスマスまでには論文を提出しなくては・・・。

関連リンク

次回執筆者

バトンタッチメッセージ

五島朋子さんへ

五島さんが福岡を離れてはや半年。すっかり鳥取のヒトになったことでしょうね。劇団から大学へと活動のステージは大きく変わったけれど、地域文化のコーディネートというフィールドは共通でしょう。今どんなお仕事に取り組んでいるのか教えてください。

こがやよい
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