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アートマネジメントのインターン現場レポート
~世田谷パブリックシアター 2025(4)

今夏、夏休み期間中に世田谷パブリックシアターでインターンをする学生から寄せられるレポートをご紹介しています。第4回は『ブレイブ・スペース』+『走れ☆星の王子メロス』子どもワークショップコースの2名のレポートです。

※インターンの詳細はこちらから

【Aコース】[長期]『ブレイブ・スペース』+『走れ☆星の王子メロス』子どもワークショップコース 

女子美術大学 芸術学部美術学科洋画専攻3年
石田想子さん

今回は舞台制作の現場を知り、理解を深めることを目的にインターンシップに応募しました。

ワークショップの運営をはじめ、公演当日のチラシ折り込み・配布・お客様の誘導、楽屋のケータリング補充、SNS更新など、さまざまな実務経験を通じて多くの学びを得ることができました。

特に印象に残ったのは、公演本番における接客業務を通して、劇場を支えるスタッフの皆さまの対応を間近で拝見できたことです。お客様一人ひとりに対する細やかな配慮が、より豊かな観劇体験へとつながっていることを強く実感しました。

また、公共劇場で働くうえで求められる姿勢や心構えについても、多くを学びました。舞台公演が滞りなく進行するためには、スタッフ間のコミュニケーションや、状況に応じた柔軟な対応が不可欠であることを、身をもって感じました。

舞台公演の裏方としてかかわることが初めてだったため、当初は不安もありましたが、スタッフの皆さまが常に温かく、ていねいにご指導くださったため、次第に自分も積極的に取り組むことができました。

今回のインターンシップを通じて得た経験や知識を今後の活動に活かし、これからもより学びを深めていきたいと思います。

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日本大学 芸術学部演劇学科舞台構想コース3年
稲葉瑞穂さん

私は国際演劇祭でのボランティア活動をきっかけに海外招聘公演に関心を持ち、本インターンシップに参加しました。

アロフト・サーカス・アーツ『ブレイブ・スペース』にかかわった際には、言語や文化が異なる環境であっても、舞台芸術を通じて相互につながり、観客によりよい体験を届けようとする点は国内公演と共通していることを実感しました。また通訳を務める青木さんから「夢を言葉にして周囲に伝えることの大切さ」をうかがい、自らの将来を見据えるうえで大きな気づきを得ました。

さらに、to R mansion『走れ☆星の王子メロス』のオープニングアクトに携わった経験からは、劇場と地域の関係性について考える機会を得ました。観客は単なる「受け手」にとどまらず創造にかかわることができ、その選択肢の広さが公共性の核をなすのだと感じました。
また、ワークショップにおいてto R mansionさんがファシリテーターとなりシアターゲームから始めて段階的に身体表現へと導きながら、一人ひとりの発想を尊重する姿勢が、参加者である子どもたちの安心感と創造性を支えていたことが印象に残っています。

今回のインターンシップで得た学びを、今後の制作活動にも活かしていきたいと考えています。

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世田谷パブリックシアター担当者コメント:酒井淳美

Aコースでは、短期間ながら複数の公演やワークショップ、レクチャーに立ち会い、幅広い年齢層の来場者や参加者を案内したり、時には一緒に参加したり、という体験をしていただきました。

制作の仕事は多岐にわたり、特にワークショップなど小人数のチームで進行する際には役割分担も柔軟に入れ替わることがあるため「これも制作の仕事?」と、思うこともあったかも知れませんが、二人とも初めての経験が多い中で、様々なことに興味をもって取り組む姿勢はとても印象的でした。ぜひ、自分の興味をさらに広げていって、また劇場に戻ってきていただけると大変うれしく思います。

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