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書籍の紹介:『クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか』

2005年に始まり、今年のゴールデンウィークでで5回目を数えた"熱狂の日音楽祭"「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(LFJ)。東京だけでなく、金沢、新潟、びわ湖の3都市でも開催されるようになりました。本家のフランス・ナント市で始まったこの音楽祭のフォーマットは、日本以外にも、ブラジル、スペイン、ポルトガル、ポーランドなど、世界各地に広がりを見せています。

先日LFJ関係者の方にお話を伺う機会があったのですが、大きな音楽祭をマネジメントするための、危機管理含む体制作り、時代認識、業界における課題の認識、そして情熱に敬服しました。始めの一歩を踏み出すこと、継続することの苦労は、華やかで賑やかな音楽祭本番で語られることはありませんが...。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」5年の節目に出版された書籍、『クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか~ラ・フォル・ジュルネの奇跡~』(片桐卓也、2010.3、ぴあ)を頂戴したので、早速拝読しました。本家ナント市でラ・フォル・ジュルネが生まれた経緯や、日本での開催について、その背景が丁寧に書かれています。

クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか――クラシック音楽以外の分野にも想像を広げながら読んでいくとおもしろかったです。

lfj.jpgそういえば、学生時代の友人が毎年LFJを楽しみにしていて、時期が来ると「今年は行かないの~?」と連絡をくれます。アート関係者や特別なクラシック愛好家以外の人が、そうしてごく普通に楽しみにしているのを知るのは、主催者ではないのですが、なんだかうれしいです。

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