ネットTAM

北海道演劇のルーツ

先週の月曜日、7月2日から、赤い実企画代表/レッドベリースタジオ主宰の飯塚優子さんによるリレーコラムを掲載しています。ゆっくりと味わって読んでいただきたい一編です。コラムを読み終わったら、関連リンクのコーナーにリンクしてある赤い実企画とレッドベリースタジオのサイトにもぜひアクセスしてみてください。「赤い実企画」の名前の由来、ミッション、概観写真、八軒物語のレパートリー、うそっぷの会のこと、リンク集等々、さまざまな情報が掲載されています。

「駅裏8号倉庫」という、札幌のフリースペース(1981年9月~1986年2月)の話も興味深く拝読しました。伝説的空間なんだろうなあと思いながら読み進めていくと、『Sapporo Interview magagine』(2006年01号)に掲載されている飯塚さんのインタビュー記事にたどり着きました。そこに、これまで感じてきたぼんやりとした不思議−北海道はなぜ演劇が盛んなのか−の答えを発見しました!

1996年のTAMvol.2札幌セッション(記念すべき初の演劇セッション)を開催したのが、この年設立された「北海道演劇財団」。報告書からは熱気が伝わってきます。これまで、ネットTAMリレーコラムに執筆してくださった北海道のみなさん−あさひサンライズホール(士別市朝日町)の漢さんNPOコンカリーニョ(札幌市)の斎藤さんC‐プランニング・フラノ主宰/元ふらの演劇工房(富良野市)の篠田さん、 今月の飯塚さん、それぞれのお話からも、演劇が盛んな様子が伺えます。昨年、筆者の勤務する企業メセナ協議会とコンカリーニョがセミナーを共催したのです が、広報先を洗い出していて、劇団の数多さと、演劇ネットワークの多彩さに大変驚きました。情報も実に細やかに整備されているのです。こんなこともあり、 どうして北海道はこんなに演劇が盛んなんだろうと、素人疑問を抱き続けていたのですが、その答えが飯塚さんのインタビュー記事にありました。以下はその抜 粋です。

「北海道ってところは、石炭があったり鉄鋼があったり、第1次・第2次産業が基本なんですね。それを運ぶ鉄道もあるし。第二次世界大戦後、そういうところの労働運動の一環として、道内各地ですごく演劇が盛んだった時代があったんですね。労働運動と結びついた演劇。思想的、政治的な芝居ですね。そういう土壌が厳然としてあるわけです。それに反発するカタチで起きたのがアングラ演劇であり、小劇場演劇なわけですよね」(『Sapporo Interview magazine vol.3』シリーズ「駅裏8号倉庫とはなんだったのか 第2回」)


なるほどなるほど。そんな歴史的背景もあるわけですね。

リレーコラムを書いてくださる方を通じて、実にたくさんのことを教えていただいています。

この記事をシェアする: