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佐世保セッション

音楽との新しい出会いをもとめて

開催日: 1999年2月 27・28日 3月15日
開催地域: 佐世保
会場: 西海パールシーセンター
ジャンル: 音楽
参加者数: 78人
コーディネーター: デュエトリオ・コンソート 松尾望

TAM '99 佐世保セッション(音楽編)では、2001年完成予定の県民文化ホールのオープンの前に市民や音楽愛好家の方にアートマネジメントの役割に関心をもってもらい、芸術活動と地域社会のかかわりに市民の参加意識を高めることにより、文化による「まちづくり」を考えるきっかけになればと思い、2日間の講座とトークコンサートによるワークショップを企画しました。

講座ではまず、音楽を通した「まちづくり」で全国の草分けとなった「ゆふいん音楽祭」や、福岡を中心に室内楽の音楽会を運営された方から報告をいただき、それぞれの20数年に渡る活動で、音楽家の信頼を得て、「手作り」の音楽会を一過性のものでなく継続させてこられたお話をいただきました。また、カザルスホールや水戸芸術館の専門スタッフからは、室内楽の愉しみ方を例に音楽会のプログラムづくりのポイントを聞きました。奏者(音楽)と聴き手の親密な出会いから、地域文化とアートマネジメントのかかわりをあらためて学び、その多様性を知ることができたと思います。

長崎県では、すでに大村市の「シーハットおおむら」や、長崎市の「ブリックホール」などが昨年誕生し、公共ホールの活用法や問題意識の共有など、互いの交流の必要性を語る声も聞かれていましたが、今回の県内初の本格的なアートマネジメント講座の試みには、県内にとどまらず九州各地や広島、東京、北海道からの参加もあり、アートと地域を結びつけるアートマネジメントの役割の意義深さと、それを担う人々の熱意を感じることができました。開催にあたり、地元の関心が得られず苦労しましたが、これから地域に根ざしたアートマネジメントから芸術文化を発信し、その役割が多くの方へ広まることを期待したいと思います。

[デュエトリオ・コンソート代表 松尾望/99年7月]

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