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採択企画レポート

団体名

NPO法人FPAP

企画名

ITを活用した、アートマネジメントセミナー等のネット配信 (通称:ネットセミナー)

詳細

第4回レポート (2009年2月25日)

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「ITを活用した、アートマネジメントセミナー等のネット配信(通称:ネットセミナー)」 報告書


6.各会場所感


○札幌

当日の会場の雰囲気
会場は生活支援型文化施設コンカリーニョ。舞台部分に、大画面テレビモニターを置き、その前に机とテレビモニターを並べて置くというスタイルでおこないました。
参加者は、8名。アーティスト、劇場付き職員、舞台監督、劇団制作者、おのでらんファン、とさまざまな顔ぶれです。いずれも、自身が制度を使って海外留学を考えている、というよりも、東京で行われているセミナーをネット中継で聴講できる、というところに興味を持ち、駆けつけてくれていたようです。皆さん、どの話しにも熱心に聞き入っていましたと思います。

ネットセミナーという手法について、やってみての感想
できれば、トークゲストの表情がもうちょっと見えるように、遠くの会場にいる受講者にも語りかけるような絵で見れたらよかったと思います。覗き見しているようで居心地が悪い、という感想もありました。ゲストの方のためには、地域の様子が見られるのがよかったのかもしれません。それ以外は、多少画質が悪くとも、音と画像が合ってなくて気持ち悪くとも、学びたいと思う人にとっての妨げになるほどではなかったと思います(札幌会場では、文化庁担当者の説明の際にはパソコンからだけの音で対応してしまい、ちょっと離れると聞きづらく、休憩時間中に音響スタッフにスピーカーに繋いでもらいました。この辺は手落ちです。後半は問題のない状態で話が聞けました)。
どうにか各地域の映像も見られたらいいな、との意見もありましたが、そこまでするにはお金もかかるでしょうし…、今後の技術革新を待つ、ということでよい程度の問題だと思います。

ネットセミナーという手法をよりよいものにするために
地域と東京との創造環境その他の格差の改善、というようなことを考えるならばやはり定期化してほしいと願います。確かに、最初からたくさんの参加者が来るわけではないと思います。今回も、最も聞いてもらいたかった演劇人たちの参加が少なく、「海外留学」というテーマが、現在の札幌の演劇人からは遠いものなのだ、ということが改めて分かったのが残念なところではありました。しかし、海外で勉強したいけどこの制度については知らなかったある俳優をなかば無理矢理参加させましたが、終了後、「覚悟とチャンスがあれば自分にもできるのかもしれないと希望が持てた」と語っていました。こうやって、とりあえず会場にさえ連れて来られれば何かを感じらてもらえる、希望が持てるかもしれない、そういう場があるのとないのでは大違いです。
例えば、芸団協で行っているセミナーを、あらかじめ各地域がそれぞれに地域に必要なもの、興味のあるもの、日程的に都合のいいものを選択してネットセミナー開催、ということが可能になるのが現在のところの私が考える理想です。


○仙台

当日の会場の雰囲気
せんだいメディアテークという仙台の文化施設の中でもある種、ランドマーク的な建物内の会議室を使い、円卓状にテーブルを組んでおこないました。特に壇上などは設けず、参加者も運営者もテーブルを囲む形で実施したことで、和やかな雰囲気になったと思います。
セミナー中は、皆さん手元の資料と照らし合わせながら、話を聞いていました。
映像と音声のタイムラグで、いま参照している資料がわかりにくくなることがありましたが、それは進行側で「何枚目の資料です」などと補足しながら進めて行きました。
会議室のサイズも大きすぎず小さすぎず、また音声が途切れることがなかったので、皆さん集中して話を聞いているようでした。

ネットセミナーという手法について、やってみての感想
映像がストップしたり、音声が途切れてしまうようなトラブルは、どんなに準備・実験を重ねても起きてしまう可能性があるように思います。今回はテーマが「海外研修」でその内容も体験談をシェアするセミナーということで大きな問題にはなりませんでしたが、専門的な内容のセミナーを中継するようなことがあれば、中継地の運営者・進行者が予めセミナー内容について理解し、適宜、現地会場で補足するようなことが必要かもしれません。

ネットセミナーという手法をよりよいものにするために
やはり、地域にいながらにして、東京で開催されているセミナーに参加できるというのは、大きな魅力に感じます。今回のセミナーでも個人的に得るものがたくさんありました。「よりよい」ということではないかもしれませんが、さらに技術が進めば、今回のような東京のコンテンツを各地域で享受するという形ではなく、各地域の会場にいるパネリストがインターネットを通じて、共通課題について双方向で話し合うセミナーなども出来るのではないかと、期待しています。


○広島

当日の会場の雰囲気
当日の会場は、18時から19時にかけて少しずつ人が集まり、コーヒーとお菓子を持って静に自由に座って講座に耳をかたむけていた。「ネットセミナー」と言われても耳なじみがない人がほとんどであり、参加してみて納得するといった印象だった。

ネットセミナーという手法について、やってみての感想
ネットセミナーという手法については、初めての挑戦で手探り状態だったこともあり、進行や技術面で課題を残す結果となった。参加者の声を聞いても、興味深い試みであることは評価しながらも、音声の聞き取りにくさや、映像の不鮮明さ、自由に質問できない状況への不満があった。ただ、助成金の説明会や、もっと技術面が改善されれば、海外のワークショップを見ることができるのではないかといった声もあり、今後の広がりを期待できる最初の一歩を踏み出したという印象を持った。
地域の場合、報告書等の文字情報だけではなく、生の声を聞いて情報を収集するためには、時間と費用が必要である。それがアーティストの活動の場を広げる妨げになっているのだとしたら、この現状を補完する意味でも、今回のネットセミナーは意義のある試みだった。

ネットセミナーという手法をよりよいものにするために
この手法をよりよいものにするために、今後は、地域のニーズも取り入れたコンテンツの工夫や通信技術の研究など、改善すべき点に取り組む必要がある。歩みを止めることなく、問題点を改善しながらこのシステムを継続していくことが、地域間格差を縮める上でも重要になると考える。


○大阪

当日の会場の雰囲気
顔見知りの方が少なく、開始前も静かに資料に目を通されている方が多かったです。
放送中は、メモに熱心な人と書き込まずに聞いているだけの人が半々くらいでした。
聞いているだけの人は時間が進むと少し退屈そうでした。
講義中の反応は、たまに映像が乱れることもあり、話に引き込まれるというより情報を取得しようという感じでした。そのため、笑いなどはおきませんでした。
終了後は、知り合いがいる人をメインに半分くらいが会場に残り、ゲスト参加の棚瀬(南船北馬 06年にドイツに留学)などに話を聞いていました。

ネットセミナーという手法について、やってみての感想
ネットでセミナーが受けられるということは、新しい時代の可能性を感じました。
しかし、生中継よりは各セミナーの映像がアーカイブ化されているほうが、現段階では魅力的なように思いました。
理由の第一は、目の前で講師がしゃべるのに比べて、話の雰囲気・ノリが伝わりにくいため、自分が興味を持っていたり、共感できる情報でないと1時間以上に渡って集中して聞くのが難しいと思いました。そのため、多数のプログラムの中から自分の興味があるテーマを自由な時間に見られるほうが適しているように思いました。
理由の第二は、回線などの問題で双方向性が最大限に生かすことが難しいと感じました。自分たちの状況を講師に説明して意見を求めたり、簡単に討論できるぐらいでしたら非常にいい効果があると思いましたが、単発の質問ですと事前にメールなどで送っておくなどで伝えられますし、似たような質問をされる方が本会場にいることも多いと思います。

ネットセミナーという手法をよりよいものにするために
セミナーをネットで中継するというのは今後、時間はかかるかもしれませんがひとつの流れになる可能性を感じました。
ただ、実際に東京などで行われているセミナーを録画して放送するなどのコンテンツをそのまま利用するのは時間の感じ方の問題などから難しいと思いました。
理想的な形としては、ネット上にセミナーのライブラリーがあって、そこから検索などで自分の興味のあるコンテンツを探し、web配信用に作られたコンテンツが配信される。自分のアカウントなどから興味のありそうなコンテンツがオススメされたりタグから探せたりする。このネット上のセミナーで基礎的な知識を得て、東京などで集中的な実践セミナーが開催されていて、それに参加する。
という形になるでしょうか。ただ、これは徐々に成立してきているようにも思いますし、誰か一人で完成させるというより、個々のサービスがあってそれが最終的にこのような形になるのが持続的で望ましい気はいたします。


○福岡

当日の会場の雰囲気
みなさん集中して聞いていた様子。メモをとる方も結構いらっしゃった。
講師との距離があるので、アイスブレイクが通常のセミナーよりもむずかしいと感じた。
最初はかたい雰囲気で、芸団協会場で笑いがおきるところで同じように笑いが起きる、というところはなかった。徐々に空気がほぐれてきてましたが、各地域からの質問のときに実際に講師が答えているのを見たときに空気がほぐれていた。

ネットセミナーという手法について、やってみての感想
エアモニではなく、スピーカーを置いて音を出せばよりよかった。
改善すべきところはいっぱいありますが、各地域の相互交流に使うためのツールとして有効だと思えた。
トーク系のものなどで「これは他の地域の人に聞いてもらえたらいいな」と思った時に気軽に聞けるようにできるとよいと思った。
個人で受信というのも可能ですが、同じ地域に同じように関心を持っている人がどのくらいいるのか、ということを知るためにもみんなで集まって受信する形式がよいと思う。
内容によると思うが、音が聞こえていれば、ある程度映像は荒くても大丈夫なようだ、と感じた。

ネットセミナーという手法をよりよいものにするために
カメラは、やはりアップをできるものを使ったほうがよいと思った。
中継の前に、各会場でセミナーについての簡単な説明など、なごやかな雰囲気作りをするとよいと思う。
また、「あなたを認識してますよ」の合図の為、最初に各地域へ呼びかけもらったらよいかも。
質疑応答する場合は、発信地域会場の進行の方に「聞こえてますよ」ジェスチャーをしっかりしてもらうことが必要だと感じた。

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■NPO法人FPAP プロフィール:
福岡の演劇等舞台芸術文化振興のために、地域の演劇人を中心に、2003年10月に設立。翌年2月NPO法人として認証。04年1月に文化振興企画の審査・プレゼンによるコンペの結果、福岡市文化芸術振興財団より福岡で最も地域劇団の利用が多い小劇場、ぽんプラザホールの受付管理業務を委託される。舞台芸術団体54団体(06年3月現在)が賛助団体となっている。06年4月、指定管理者として、ぽんプラザホール・ゆめアール大橋(音楽・演劇練習場)の運営を開始(ゆめアール大橋はNPO法人子ども文化コミュニティとの共同申請)。日本演出者協会九州ブロック事務局、NPO法人アートNPOリンク正会員。九州地域演劇協議会の事務局を務める。 主な活動実績:地域舞台芸術表現者を育成するためのワークショップ、アートマネジメントセミナー、舞台映像上映会およびネット中継を活用したアフタートーク、九州の各地域の表現者をつなぐ九州演劇人サミット等。 URL : http://www.fpap.jp/