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○・ゼロ磁場・○



 上の写真にうつっているのは、日本三大弁財天のひとつ、芸能の神様として知られる天河神社にある「ゼロ磁場」だ(奈良県吉野郡)。私のお気に入りの場所のひとつである。
 「ゼロ磁場」とは、磁気を帯びた2つの大きな力が、向かい合って同じ強さでぶつかったとき、互いにエネルギーを打ち消し合って、本来できるはずの磁場が発生せず、見かけ上ゼロになっている場のことである。
 簡単に説明すると、地球は北極をN極、南極をS極とする大きな磁石であるが、それらが衝突し、磁界の向きが正反対になることで、計測器上はエネルギー状態が「無」になる。ここではN極S極がなくなり、コンパスは方向を示さない。「ゼロ磁場」は、プラスマイナスの消失した不思議な所なのである。
 この場所に立って、そばのイチョウの巨木を仰ぎ見、しげ渡る枝から空をのぞくのが私は好きだ(この樹はもともと別々のオス、メスの木が合わさって、途中から一本の樹になった。秋には片半分にだけ銀杏の実ができる面白い樹だ)。

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 大きな力がせめぎあって拮抗している「ゼロ磁場」は、0(ゼロ)と呼べども、エネルギーが完全に充満している状態にあるそうだ。衝突そして中和の先に生まれる、新たな次元である。
 それはまるで、「創造のプロセス」と重なるように私には思えて、'アートのゼロ磁場'のような場所の存在を感じずにはいられない。善と悪、表と裏、+と−、光と影、♂と♀...そういった相反するものの次元を超えた、絶妙のポイントとタイミングにあるその場所。各々のみでは存在し得なかった、神秘の可能性のステージ。その満ち満ちた0(ゼロ)から、全ての生命は吹き込まれ、芸術が生まれてくる気がしている。

 'アートのゼロ磁場'...もしも、そんな魔法陣みたいな場所があるとすれば、きっとそれが、自分が生きていくということの根源であり、目的なのだと思う。自分自身について深く見つめてみると、私の仕事、生を営むということはつまり、「生と死」「破壊と再生」「無と無限」の同居するそのスポットで、ゼロへと還るまでエネルギーを注いだり手放したり、そこから待ちわび続けた何かを召喚するために、行くところまで突き進んでいくことなのかもしれない。その営みが何よりも恐ろしくて、愛おしくてたまらない。

 昔から重要な聖地やお城は「ゼロ磁場」に多く位置している。調べてみると、特に日本は、本州から四国九州へと日本構造線といわれる大きな断層があり、地底でそれらが押し合うために、たくさんの「ゼロ磁場」が存在しているようだ。伊勢神宮、諏訪大社、高野山など...代表的な神社仏閣やパワースポットが、その日本構造線に集中していて興味をそそられる。
 昔の人は、どうやってそれを知ってきたのだろう...? 生物に備わった習性のためだときいたことがある。長距離移動をして暮らす動物が、体内の'磁鉄鉱'という器官で地球の磁気を把握し、方向を感知しているのだとか(人間は脳の中にそれをもっている)、血液中の鉄イオンがどうこう、だとか。「ゼロ磁場」を感じとるのは、もともと備わった「体内のコンパス」と「血」なのか。いずれにしても、古代からのその経験と智慧に脱帽したくなる。

 'アートのゼロ磁場'もおそらく、そこでは方位磁針や計測器みたいなモノサシは役に立たないだろう。たとえば、円周率や黄金律や白金律、ピタゴラスコンマ...それらを誰も、見て触れる言語に取り出し、計りとることができないように。それでも私達は、美しいもの、真なるものの姿をちゃんと知っていて、つくり出したり感じ取ったりすることができる。ならば何をもって、私はそこに取り組めばいいのか。それは、実際の「ゼロ磁場」をおしえてくれるのと同じ、自分の中にあるコンパスと血だと思う。

 「魂のコンパス」と「血」...それが私の「耳」だ。耳を頼りに、つくり、奏でる。
 クジラのように、ワタリドリのように、自分の居場所と進むべき方向をいつでも内に確かに感じて、旅をしていけたらいいなと思う。そしていつか、'アートのゼロ磁場'で、大きく育った樹を仰いで、空を見上げてみたい。

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仏教の聖地、インドのブッダガヤにある「トトロの樹」と呼ばれる大きな樹

活動紹介

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南船場レストランNOSCOにてランチコンサート(毎週水、木)レギュラー出演(2011)
料理のメニューと一緒にBGMのメニューがあり、好きな曲を注文して生演奏を楽しみながらのランチタイムを演出
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ペガサスデザインギャラリーにて定期コンサートレギュラー出演(2011-2012)
ソロ&ゲストアーティストを招いてのコラボレーションステージ(ギター、ヴァイオリン、ヴォーカル、パーカッション、ピアノ連弾、フルートetc.)
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コンサート会場のギャラリーにて絵画作品の展示(2012)
ヨガの聖地として知られるインド北部のリシュケシュにて、ガンジス川上流で泳いだときの印象を、川のほとりで絵にした作品『メラ・ガンガー』
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音楽教室の運営と講師活動(2009-2014)
写真は発表会でのリハーサルの様子
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舞踏と音楽の即興パフォーマンス『くらいんのつ・ぼ』に声ワーカーとして参加(2014)
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守口市文化振興事業団協賛イベントシリーズ『不思議の国で私をみつけて』企画、主催(2012-2013)

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New Yorkの、ある著名な芸術プロモーターのもとで社会勉強、イベントの手伝いをしている。
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インドにて伝統古典楽器シタールの稽古。

創作ステージ一覧

2009.10. 『月夜の唄げ』
2010. 4. 『A HAPPY NEW SEASON!!』
10. 『ぴあのおばけ -phantom of the piano-』(ホラー作品)
11. 『連弾Party』
12. 『WARM DECEMBER...』
2011. 2. 『連弾Party part Ⅱ』
4. 『At』
7. 『連弾Party 第3弾総集編 〜倶楽部はいからver.〜』
8. 『残暑おみまい申し上げます。』
12. 『S&M の夕べ』
2012. 2. 『なつかしいヴァレンタイン』
7. 『連弾Partyへ行こう!! ~青春 MOVE21きっぷ〜』
2013. 4. 『ぴあのこんさぁと?』
7. 『循環するアジアの音』

チャリティ活動

  • チベットの子ども達のための『マンジュシュリ孤児院チャリティイベント』 アシスタント
  • 地域の支援学校へ音楽のプレゼントコンサート
  • 東日本大震災チャリティイベント 『for us OSAKA』出演
  • 東日本大震災 追悼コンサート 出演    他
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バトンをまわして下さった松口美智子さんへ

 「どこかで会ったことがある」と思った初対面。
 話してみると、なんと私が中学生の時にいらしてた教育実習の美術の先生だった!...というご縁でお友達になった画家の美智子さん。
 私が療養中であまり動けない時期に、家でも取り組むことのできる、このリレーコラムを紹介してくださいました。
 資料を整頓することで、これまでの歩みを振り返ったり、いざ言葉を紡ぐとなると深く考えることが出てきたり、...とてもいい機会になりました。本当にありがとうございました。
 これからもオモシロイこと、いっぱいしていきましょうね♪

(2014年11月17日)

今後の予定

どこに行ってもいつも「元気いっぱい」「野生」といわれてきた私ですが、この夏、初めて調子を崩して1ヶ月入院することになりました。
いまは退院し、養生しながら体力づくりに励んでいます。

病気になったことで、「逃げ道には行き止まりがある」と学びました。

今後の予定、☆作品発表☆です。
ブログなどでお知らせしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

プライベートでは、北海道開拓時代に活躍した汽車「靜号」に会いに小樽へ行ってみたいです。
私の靜(しづか)という名前は、この汽車に由来しています。

関連リンク

次回執筆者

バトンタッチメッセージ

芸大時代に同じ師匠のもとで、大変お世話になりました。
沖縄出身で、沖縄の民謡と平和運動について長年研究され、あたたかな言葉と歌声、三線やピアノの音色で沖縄を語る活動家の方です。
コラム、楽しみにしてます。
せんぱい!!
また、いっしょに泡盛のんで、あやしいトークを繰り広げましょう♪

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