ネットTAM

MAYA MAXXさん&WAPの「ハッピーカラープロジェクト」に参加して

ネットTAMリレーコラムを執筆してくださったアーティストのMAYA MAXXさん(第63回)と、ワンダーアートプロダクション(WAP)の高橋雅子さん(第64回)が昨年から始められた「ハッピーカラープロジェクト」に、ネットTAM運営事務局のU野とW林で参加してきました。

ハッピーカラープロジェクト」は、治療が長期にわたり病院での生活が余儀なくされる子どもたちにも、無限の色と輝きの時間、そしてMAYA MAXXさんのパワーと温かさを届ける活動。明日への元気に繋がるよう願って、昨年から各地の子ども病院等で展開されています(お二人のコラム参照)。

今回ネットTAM事務局2名は、運営ボランティアとして参加する機会をいただきました。

happy color.jpg朝9時20分に、栃木県の自治医科大学とちぎ子ども医療センター玄関に集合。
金髪のMAYA MAXXさん、小柄で物腰やわらかな高橋さんとWAPスタッフの皆さんとは初対面です。
医療センターのスタッフの方とご挨拶のあと、場所と当日スケジュールを確認し、配布されたピンクのスタッフTシャツを着用。いよいよ準備開始です。

ワークショップを実施する部屋の床が汚れないよう養生用のビニールシートで覆っていきます。たくさんの色の絵具が入ったお皿と筆、2メートルくらいの長くて頑丈な画用紙(「子どもたちにいい体験を」とMAYAさんこだわりの高品質紙!)を用意すると、子どもたちが入ってきました。

早速、「ここ、紙の上に座ってっ。何色好き?はいっ、これピンクの絵具」と、みんなが好きな色の絵具が入った皿を一人一人に渡すMAYAさん。

DSC06979_R.JPGいくつかのグループに分かれて実施。午前・午後含めて全部で40名くらいの子どもたちと、その保護者や担当の医療スタッフの方々で、会場はとてもにぎやかな場となりました。
DSC06976_R.JPGはじめは、恐る恐る絵具を見ていた子どもも、お母さんが筆を持って書き始めたりするとみるみる笑顔になって、画用紙の世界へと入ってきます。また、子どもが目を輝かせて没頭し始めると、お母さんやおばあちゃんも、なんだか引き込まれて一緒に絵具だらけになっています。

「なんでもいいのよ、自由がいいのよ、みんな好きにすればいいのよ」というMAYAさんの気持ちに、みーんな、心と身体がほぐれて、画用紙いっぱいに思い思いの色をひろげていました。
DSC06988_R.JPG興奮して、水の入ったバケツをひっくり返し、びちょぬれになる子、ぬるぬるの感触が気持ちよくて画用紙の上の絵具を足で広げて転ぶ子、そんなハプニングにも、さすがプロの病院スタッフの方々は機敏にそして笑顔で対応くださいます。

皆で書いた絵は早速WAPスタッフが加工して、今日参加してくれた子どもたちがいる各フロアに飾ってきました。病院の廊下に飾って見てみると、不思議な力を持った明るくすてきな作品に仕上がっており、さっきまでの廊下とは全然違った趣です。使った道具を片付けて、病院を後にしました。

最後は、MAYAさんと高橋さんの愉快な空気に包まれて打ち上げをして解散しました。
(病院の場所によっては、帰りの新幹線でビールとお弁当で打上げとなることもあるらしく、今回はMAYAさんと高橋さん、スタッフの皆さんと話ができて、ラッキーでした!)

この活動に参加させてもらって、高橋さんのリレーコラムの言葉が蘇ってきました。
「アートには目先の金銭的価値判断では計り知れない潜在能力があると思います。アートがもたらす刺激や美や感動は、空間に命を与え、社会を変え、人の心の色を塗りかえ、つなぎ、救うことだってできます。そんなポジティブな魔力をもった媒体に関わりながら生きていることを、心から幸せに思っています」

そして、MAYAさんのリレーコラムで「ハッピーカラープロジェクト」を始めるに至った経緯を読み返して、本当にぐっときてしまいました。

お2人の病院での活動は、今後も続いていきます。機会があればぜひ参加してみてください(註:本年度のボランティア募集は10/14で締切となりました)。
子どもだけでなく、そこに関わる人たち、自分までもがなぜかハッピーになっているプロジェクトでした。 【U野】

DSC06990_R.JPGMAYA MAXXさん(中央)とWAP高橋さん(その左隣)、WAPスタッフのYuiさんとNaoさん(ピンクTシャツ) 、ボランティアスタッフの皆さん、自治医科大学とちぎ子ども医療センターのご担当者と、終了後にパチリ。

MAYA MAXX隊長と高橋キャプテンのもと、明るく笑顔の絶えないチームでした。細やかにてきぱきと動かれるWAPスタッフのお仕事ぶりにはひたすら脱帽。こども医療センターの職員の方々のご理解や協力体制も、大変心強く感じました。
こうした全体のチームワークがあって、子どもたちや親御さんたちのあの笑顔が生まれるのだと感服しきりです。


ネットTAMでは、折に触れて「アートの力」について考えてきました。
今回は、"命の現場"でのアートプロジェクトに参加させていただきました。たった一度のボランティア参加では、まだまだ命の現場とアートについて語ることはできませんが、今回改めて感じたのは、私はアートと関わることで、自分がこれまで無知だった世界を知るきっかけをもらっているということ。しかもそれは、人間や世の中の根源的・本質的なことが多いのです。作品そのものに心動かされることも多々ありますが、世の中にこんなことがあるのだ、こんな人たちがいるのだと、アートを通じてアートのその向こう側を知るときには、心が長く揺さぶられます。今回もそんな体験をしました。

もうひとつ感じたのは、心が揺さぶられる体験は、本物を通じてだということ。今回参加したハッピーカラープロジェクトで考えたいろいろは、MAYA MAXXさん、WAP高橋さんの真摯な思いとプロの技あってのことと思いました。といっても、ご本人たちはまったく力むことなく、広い海と太陽のように、常におおらかで明るくていらっしゃるのですが!


最後に、ワンダーアートプロダクションさん、WEBにネットTAMをリンクしてくださってありがとうございます!発見した時はうれしかったです。 【W林】

▼MAYA MAXX.COM (ハッピーカラープロジェクト宮城県立こども病院編)
▼ワンダーアートプロダクション(ハッピーカラープロジェクト)


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