ネットTAM

伝統の魚行商人にちなんだ「"いただきさん"アート号制作プロジェクト」@香川

香川には、サイドカー(リヤカー)付き自転車に魚を積んで売り歩く魚の行商人「いただきさん」の伝統があるそうです。ウェブサイト「ふれあいRoad」によると、現在も高松漁港近辺では40名ほどのいただきさんが活躍中とのこと。

この「いただきさん」 にちなんだユニークなアートプロジェクトを、香川県が展開しています。
香川県主催のアートマネジメント講座が、いただきさんの伝統を踏まえ、その独特の販売方法を模した「いただきさんアート号」の制作プロジェクトに参加するアーティストを募集。
30件の応募者の中から選ばれた10組のアーティストが、自転車のサイドカー部分をそれぞれに創造し、「いただきさんアート号」を製作。3月27日(土)・28(日)に開催される「アートイベント@高松中央商店街 アートウォーク2010」において、商店街の中で、それぞれにパフォーマンスを繰りひろげるそうです。

なんかいいですねーーー。聞いた瞬間に「お!」と思いました。
募集要項(PDF:853kb)が、これまたとてもいいかんじです。

「あなたの!(閃き アート おもろい やってみたい 目立つやろ えええやろ etc を いただきさんアート号に 載せてください」との呼びかけ。

itadaki.jpg

地域色あふれる企画、ほんといいですね。
地元の方にとっては、なじみの風景が非日常に変身するプロジェクト。「いただきさん」を知らなかった私は、この土地の昔ながらの文化を知ることができました。
「いただきさんアート号」、ぜひ見たいです。


余談ですが、これは例の文化庁地域芸術文化振興プランのプロジェクトなのだと、募集要項を見て気づきました。ネットTAMでは昨年度補正予算で生まれたこの事業のその後を追ってきましたが(5/30ブログ6/16ブログ)、そういえば、香川県のプランは、計画の途中経過もしっかり報道されていました(7/10ブログ)。

各都道府県に配分された1億円で、どのような地域芸術文化振興プロジェクトが各地で生まれたのか、ぜひ文化庁WEB等で紹介してほしいですね。香川のこの「いただきさん」、きっとぴか一ではないでしょうか?!(大きな新聞広告を掲載したり、広く開かれずに関係者のネットワークの中で消化されたりするケースもありましたので...)。

振興プラン募集に際し文化庁は「プラン実施で期待される効果等」も明記するよう求めていました。その検証もしっかりおこなって、万一また同じような助成が組まれることがあったときには、全自治体同額配分ではなく、前回(=今回)真摯かつぴか一の取り組みを行った自治体をプラスに評価する、などということがあれば、全国が切磋琢磨して地域文化振興の底上げをめざす気のきいた政策になるのではないかなあと思ったことでした。

この記事をシェアする: