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『冷泉藝館』は、ひとことでいえば、カフェを併設したアートセンターである。街のなかで現代美術を展開するプロジェクトをおこなってきた「ミュージアム・シティ・プロジェクト」(MCP)のメンバーが中心になって企画を作り、若いボランティアが運営に携わった。このプログラムは「アート業界と異業種をつなぐアートセンター」の3日間限定のシミュレーションとして構想され、インフォメーションコーナー、レクチャールーム、オフィス、ギャラリー、カフェ等のスペースを作った。
また、ボランティアとして関わるスタッフをTAM受講生と位置づけ、事前に4回のレクチャーをおこなった。講師には、アーティストでありつつスペース等の運営に携わっている人を招き、いわゆる「アーティスト・ラン・スペース」のノウハウを聴いた。小石原剛(岡山・NPOミーツ代表)、宮川敬一(北九州・ギャラリーSOAP)、藤本由紀夫(神戸・CAPメンバー)らによる実践的な講義では、アーティストの柔軟かつ斬新なアイデアと運営方針が紹介され、若い受講生たちも刺激を受けた(敬称略)。
『冷泉藝館』当日の福岡は大変な猛暑となり、冷房がない旧小学校校舎の会場は、厳しいコンディションとなった。それでも、窓外に樹木の見える元図書室のアジア風カフェでお茶を飲み(茶菓は無料提供)、アート情報をぱらぱら見つつ、友人たちと会話を交わし、時々は隣室のパフォーマンスやトークに参加する、という三日間はなかなか充実していた。普段はあまりアートスペースに行かないというお客さんも、カフェでゆるゆるとした時間を過ごしてくださった。アートにはこんなぼんやりした時間と空間が必要なのではないだろうか。
アートを日常的に外とつなげていくための機能を持つスペースを常設にしたいというMCPの10年来の野望。『冷泉藝館』は貴重な3日間限定実験となったのである。
*「冷泉藝館」ホームページ http://www.ne.jp/asahi/mcp/fukuoka/2001/07tam/index.html
[ミュージアム・シティ・プロジェクト事務局長員 宮本初音/02年9月]
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