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福岡セッションを96年秋に開催してから、「アートマネジメント講座以降は」とつい前置きして語り始めることが多くなった。本講座が与えた影響は、福岡という地域にとっても、福岡県立美術館という組織にとっても大きかったと感じているが、それはこういう前置きをする私個人に多分もっとも色濃く反映されているだろう。
「アートは社会とともに始まる」というタイトルのもと、芸術と社会の関係に関心をもつさまざまな人が集う場をつくり、これからのことを語り合うきっかけをつくる。3日間の集中セミナー形式で開催された講座の目的はこれに尽きている。
美術、音楽、演劇など、ジャンルは異なっても福岡の関係者はこれまでの枠組みや内輪の愚痴で終始することにそれぞれ限界を感じていたし、ネットワークの時代といっても一体どこから連携を始めていいやらという焦りも共通していた。では、愚痴を内輪ではなく公にしてみたらどうだろうか、個人個人の顔つなぎからネットワークを考えてみたらどうだろうか。切実な問題意識と素朴なアプローチが、福岡県内・九州はもとより全国各地からの参加者が100名をこえるという盛況につながったといえるかもしれない。
さて、現在私は企画展を準備しているところだが、本講座をきっかけに始まった交流から、調査、ウィークエンド・ギャラリー・イベントの開催、広報など、さまざまな面で新たな試みが進行中である。講座成果の一端としても、今秋の福岡のアート・シーンにご期待いただきたい。
[福岡県立美術館学芸員 川浪千鶴/98年7月]
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