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キャパシティビルディング



 正確には、成果の実現に必要な「能力(キャパシティ)の習得・構築(ビルディング)」という意味だが、1990年代以降、国際協力・開発援助・人道支援の領域において、「能力の習得・構築の支援」を意味する言葉として用いられるようになった。日本では「キャパビル」と略して呼ばれることもある。

 国際協力・開発援助・人道支援の領域においては、支援者である国際機関やNGOにとって、支援先・受益者である途上国・最貧国などの住民から政府機関に至るまで、多様な相手先が自律的・自立的に運営できる能力が構築されない限り、支援を終えることができない。このため、相手先の能力構築は、支援の有効性を高めるための重要な要素であり、今日では、ほとんどの支援活動に織り込まれるようになっている。

 最近になって日本国内でも使われる機会が増えるようになった背景としては、NPOや社会的な課題に挑む事業を設立・起業する人は増えたものの、成果の実現に必要な能力が不足しているために、拡大・充実はもとより、継続さえ困難な状態の団体が増えてしまっていることが挙げられる。このため、これまで「活動の経費」を助成してきた財団や企業、行政機関などが、その有効性を高めるために、自律的・自立的な運営を継続的に行いうる能力の構築に関心を抱き、その形成のための支援プログラムを始めている。

 広義では、広報、会計、ボランティア・マネジメントなど、事業・活動や団体運営に必要なスキルを習得するための公開講座などもキャパシティビルディングのための手法と位置づけることもできる。しかし本来的には、団体側が学びたいことを任意に選ぶのではなく、その団体の課題やその原因・背景を正確に把握したうえで、最適なスキルを最適なプロセスで習得するための個別の最適化デザインが不可欠である。

 この趣旨を踏まえて、2000年代初頭から、事業や団体の基盤形成に焦点を当てた支援を続けているプログラムとして、(特)ETIC.がNECなどと共催する「社会起業塾イニシアティブ」や、パナソニック(株)による「Panasonic NPOサポート ファンド」が挙げられる。

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Panasonic NPOサポート ファンド キックオフ研修会での中期計画をテーマにしたグループディスカッション 社会起業塾の参加団体(2011年度)向け合宿から

(2012年4月9日)

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