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コミュニティアートの未来>第39回リレーコラム

NPO法人コミュニティアート・ふなばしの下山浩一さんによるリレーコラム「コミュニティアートの未来」を公開しました。

いまや、地元に根ざしたアートプロジェクトが全国各地で展開されるようになりました。もちろん、昔からそうした動きあったとは思いますが、かかわる人の目的意識やミッションが明確になり、運営手法もより専門性が高く洗練されているのが、かつてと違う昨今の特徴といえます。地域社会とアートについて語られる場もかなり増えましたが、今回のコラムでは、千葉県の船橋を拠点に11年前から活動されている下山さんが、「コミュニティアート」について改めて解説してくださいました。コミュニティアートに共通して見られる特徴、各地の優れた事例などなど。

各地で成功事例がみられるものの、「コミュニティアートが持つ<コミュニティの課題を解決する>という側面が回避されている傾向を感じる」と、若干の危機感についても書いておられます。同じ「地域密着型アートプロジェクト」でも、<コミュニティアート>と<アートイベント>の違いはそこなんですね。

そういえば・・・昨年3/3に開催したトヨタ・アートマネジメントフォーラム2007で、分科会Fが「アートが拠ってたつ"社会"に対するアートマネージャーの意識」について問題提起したことを、ふと思い出しました。レビューコメント(by加藤種男氏。VTR12:44あたり)では、「よく言われる"社会とアートをつなぐ"という言い方だと、そもそも社会とアートは別物ということになってしまう、アートはもともと社会の中に存在するものだ、という分科会Fの問題意識は正しい」と指摘がありました。

今回リレーコラムを書いてくださった下山さんの視点は、まさに「アートの拠って立つ社会」をしっかと見つめておられます。それがあってこその、地域密着型アートプロジェクト=コミュニティアートなんですね。

アートを社会と別ものの存在として、アートだけ見ていても、社会(やアートに関心の無い人々)は動かせないのだということを、考えさせられるコラムでした。下山さん、ご寄稿ありがとうございました!
 

 

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