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総合セッション出演者訪問記:その3

ネットTAM運営事務局が企画・運営する「総合セッション」にご出演いただく方々の訪問記――椿昇さん(12/18ブログ)、熊倉純子さん(1/3ブログ)に続く第3弾は、上山信一さん(慶應義塾大学教授)です。

とにかく速い!速いのです、毎回。メールを差し上げると、あっという間に返信が届きます。今回も、出演依頼→ご快諾→訪問アポ→日時決定→プロフィール授受→訪問まで、いつもこちらのレスの方が鈍いくらいでした。超ご多忙でいらっしゃるのにありがたいです。

・・・と、このようにアポをいただいた事務局のトヨタU野とメセ協W林は、昨日、東京・六本木にある上山さんの事務所にうかがいました。直接お話するのは初めてです。が、実はこのふたり、フォーラムがまだ影も形も無かった数年前に、次なる企画の参考にと上山さんの講演を聴きに行ったことがあったのでした。数年越しで実際にご出演いただくことになったわけです――「そうでしたか」と、どの講演だったか瞬時に思い出された上山さんは、その後のフォーラムの概要説明にも、合い間合い間に明解なコメントをいっぱいくださいました。以下、その中から幾つか。。。

「“アートマネジメントが消える日”が理想。アートマネジメントの必要がなくなるほど人々の日常生活の中に普通にアートが入り込んだらいいと思う」

「“アートと社会”というと少し大上段な感じがする。社会を構成するのは個人。個人が元気になることが社会を元気にする。個人、特に弱者にパワーを与えるアートの力を考えることが必要。たかがアート、されどアートなのだから。弱者には“あるシチュエーションにおいての弱者”も含まれる(例えば育児中の母親も弱者であったり)」

「アート関係者には天動説派と地動説派がいる。多くは、太陽であるアートを世界の中心に置く天動説派になりがちだが、そうなると世間一般にはひかれてしまう。アートというのは銀河系の中のひとつの星。太陽は何かはっきりしない―個人かもしれないし社会を動かす見えない神かもしれない―アートはone of themなんだという地動説的な意識が、本当の意味でのアートの浸透には必要なのではないか」

上記以外にも、示唆に富む話をたくさん聞かせていただきました。最後は、フォーラム各セッションへのメッセージ。

「事例紹介するセッションでは、1)抽象的な話から入らずに、2)日本で既に起きていること・現象の紹介から始め、3)その後に海外ではいかにあるのか、という順番だと聴衆が分かりやすいと思います」、とのことでした。

上山さん、ご多忙中ありがとうございました。3/3よろしくお願いします!

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