書籍の紹介:『グラスルーツ・シアター』

2009年1月6日

書籍をお送りいただいていたのですが、ご紹介がすっかり遅れてしまいました。

「地域、大学、人々の創造力――コミュニティ・アーツの原点」という帯句、「コミュニティ・アーツのパイオニア」という著者に、「お!」と思う方も多いのでは。以下、紹介資料より。

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Arts and Culture Library 5 
『グラスルーツ・シアター アメリカの地域芸術を探して』
ロバート・ガード【著】 秋葉美知子【訳】 
四六判並製/328頁  定価(本体1900円+税)  美学出版

コミュティ・アーツのパイオニア、ロバート・ガードの自伝的著作。「我々は、すべての人に創造的な人生が開かれるよう努めなければならない。学校で、コミュニティで、農場で、都市で……たぶんバーや居酒屋でも。今や芸術は町の中にやって来なければならない。それは我々がやらなければならない次の大きなアメリカの仕事なのだ」。このような信念を持ち、自分の住む地域の人々に、創造的な演劇によるコミュニティづくりの夢をもたらそうとした彼の生き様は、あとに続く人たちにとって心の支えとなり、また示唆を与えてくれるだろう。 Read the rest of this entry »

新年のご挨拶&「企画屋黄門様」のリレーコラム掲載

2009年1月1日

2009年がスタートしました。本年もネットTAMをどうぞよろしくお願い申し上げます。

ネットTAMの新年は、(株)うぶすな代表取締役/合同会社スマイル代表社員、そして内閣府地域活性化伝道師でもある、吉井靖さんによる第49回リレーコラムで幕開けです。

「企画屋の水戸黄門様」こと吉井さん、故郷の佐渡を起点に、いまや全国を行脚される日々とのこと。キーワードは「IT×地域」。アウトプットの形はいろいろで、市民参加型地域清掃、朱鷺の保護と棚田整備、そこから生まれる地域ブランド米、若者のUターン&就業支援、そして「お笑いによる地域活性化」まで。ITの専門知識とイベントプロデューサーとしての長いご経験に、地域や人に対する深い愛情が加わって、数々の成功事例を生んでいるように思えます。

都会に固執せず、故郷に帰り、故郷で暮らせる「きっかけ」を、私は創っていきたい。そのために、地域がITという手段を使って、どうやって地域に人を呼ぶか、どうやっておカネを生む力を創るかを、ともに考え、形にするべく、企画屋の水戸黄門一座の旅は続くのであります。

07年からはTOYOTA Gazoo Muraの活動で、地域に対する思いがさらに高まっておられるようです。

地方に人が住まなくなると、森林の保全、食糧・水資源の確保、日本独自の伝統文化の保持が危ぶまれ、日本人が長い歳月をかけて育んできた豊かな生活文化の喪失に繋がります。
誰かがこの現状を止めてくれるのでしょうか?誰でもありません。
自分ができることを、自分たちがやれることを、確実に踏み出していく「勇気」がいまこそ必要な時代と感じます。

よし!と、なにか武者震いするような、おなかの底に元気がわいてくるような気がしました。黄門様、新年にふさわしいコラムをありがとうございました。皆さま、ぜひご一読ください。

▼第49回リレーコラム「企画屋黄門の“IT×地域”の旅」

 

2009年が皆さまにとってよい年となりますよう、心からお祈り申し上げます。 

本年もありがとうございました>ネットTAM運営事務局一同

2008年12月26日

いよいよ今年も残すところあと5日。

本年も多くの皆さまにネットTAMを支えていただき、ありがとうございました!日々いただく投稿や、たくさんのアクセスに、事務局はおおいに励まされました。コラムをご執筆いただいた皆さまにも、この場をお借りして御礼申し上げます。

今年は新たに「トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」を実施いたしました。たくさんのご応募、公開プレゼンテーション大会へのご参加、ありがとうございました。ネットTAMとしてはチャレンジングな取り組みでしたが、キャッチコピーに掲げた「変えたい」「変えなきゃ」「変えよう」を忘れずに、採択企画の実現に向けて、ともに前向きに進んでいきたいと思います。引き続きのご関心をよろしくお願いいたします。

来年も、本サイトを通じて芸術文化環境を少しでもいい方向に変えていけたらと願っております。皆さまからのご意見やご提案をお待ちしています。

来る新年が、みなさんにとってよい年となりますよう、心からお祈り申し上げます。                          

ネットTAM運営事務局一同

※事務局は12/27-1/4まで冬休みです。各種お問い合わせの返信は1/5以降になりますのでご了承ください。なお、次回リレーコラムは元旦に掲載しますのでお楽しみに!

「キャリアバンク」の投稿方法が変わりました

2008年12月22日

スタート以来の累計求人数が1600を超えたキャリアバンク。求人情報を投稿してくださる皆さま、ありがとうございます!

さて、このたび求人情報投稿の方法を若干変更しましたのでお知らせします。

新たなシステムでは、求人情報の登録後、ご登録いただいたメールアドレスに仮登録受付のメールを送信いたしますので、文中に記載のURLに48時間以内にアクセスしてください。これにて本登録が完了し、キャリアバンクに求人が掲載されます。

本年8月に発生した不正投稿を受け、皆さまに安心してキャリアバンクをご利用いただけるよう対応策を講じました。2段階登録でお手数をおかけしますが、ご協力のほどお願いいたします。

KAIZEN提案の山崎広太さんより

2008年12月20日

「トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」採択企画を展開する山崎広太さんから、メールをいただきました。なるべく多くの方々に山崎さんのメッセージを伝えたいと思い、KAIZENブログだけでなくこちらでも紹介します。

KAIZENプロジェクトでは、採択案の実現過程をそれぞれ定期的に報告いただいていますが、山崎さんの第1回定期レポートは関係者、アーティストの環境改善に関心を持つすべての方々に向けたメッセージでした。反響は届き始めているそうですが、山崎さんはもっともっと多くの方々、とりわけ創造の現場にいるアーティストの皆さんからご意見をいただきたいそうです。ともに、日本の創造環境がこのままでよいのか考えましょう!と。

そこで、定期レポートでも予告のあった「12月大忘年会」(→「アーティスト同士の対話から少しずつその方向性を探り、慎重に行動していくため、積極的な意見をお聞きする機会)にぜひ皆さんご参加くださいとのことです。詳細は以下ご覧ください!

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先日お送りした僕の提案をご覧いただいた方のなかから、声をお寄せいただいています。突然のご連絡にもかからわず、感謝いたします。そのリアクションから生まれつつあることを、少しずつかたちにしていきたいと考えています。

今回は皆様に、そのなかでも触れた忘年会のお誘いのためご連絡いたしました。

いままでアーティスト、コンテンポラリー・ダンス関係者が一同に会したことはあまりありませんでした。ここでは目的も何もありません。ただの飲み会です。一緒に皆様が同じ時間を過ごすことの大切さを感じ、情報交換、コミュニケートすることもあっていいと思うのです。今回ご都合が合わない方もいらっしゃると思いますが、毎年続けていきたいと考えています。
また、今後シンポジウムなどを通してアーティスト同士の交流の場を増やしていきたいと思っています。是非、お気軽にご参加ください。

                            Body Arts Laboratory
                                      山崎広太

■日 程: 2008年12月22日(月)
■時 間: 19:00-22:00
■場 所: 門仲天井ホール
■会 費: 1500円(差し入れのご持参歓迎です)
★ご参加できる方は、以下アドレスにご一報ください。
FluidHug-hug@hotmail.com

文化政策に関する最新レポート

2008年12月18日

秋口から特に12月、1月前半にかけて、筆者の勤める企業メセナ協議会のライブラリーには学生さんが頻繁に訪れる。卒業論文、修士論文等の総仕上げ時期。最後の追い込みで、資料を探しに来られるのだ。

アートに関する論文を書く皆さんに、ぜひ紹介したい参考文献がある。第6回リレーコラムを書いてくださったニッセイ基礎研究所の吉本光宏さんが最近発表された、文化政策に関する論文だ。

▼「再考、文化政策―拡大する役割と求められるパラダイムシフト〜支援・保護される芸術文化からアートを起点としたイノベーションへ」 (ニッセイ基礎研所報vol.51/Autumn 2008)

80ページにわたる一大論文(執筆のため、久しぶりに睡眠時間を相当削られたそうだ!)の最後は、以下のような内容で締めくくられている。

これまでの文化政策やメセナは、芸術や文化は社会に支えられるべきものだ、という認識に基づいて推進されてきた。しかし、そうして支えられた芸術や文化が、逆に私たちの市民社会を変革する原動力となって、多様な分野でベネフィットをもたらし、同時に社会的なコストを軽減していく。そんな「アートを起点としたイノベーション」が実現しうる時代が到来しようとしている。芸術文化のクリエイティビティを活用し、文化政策を起点に日本を刷新していく、そうしたパラダイムの転換がこれからの文化政策には求められているのである。

「アートを起点としたイノベーション」という言葉に、アートにかかわる仕事をしているものとして、“考える勇気”をいただいた気がした。

論文執筆中の皆さん、ひたすら考え抜いてください!無事の提出をお祈りしています。

場所の声に耳を傾けることからすべてが始まる>「ヒミング」の活動

2008年12月16日

今月のリレーコラムは、美術家、アートNPO「ヒミング」理事、そして魚巡りの宿「永芳閣」の役員である平田哲朗さんが書いてくださいました。タイトルは、「場所の感覚/ドリーミング」。

平田さんのコラムを読んで、これこそ地域のプロジェクトに欠かせない視点、というものを教わったように思います。

地域の住民や行政の意識からほとんど周縁化された「場所」が発言権を獲得するために「ヒミング」を立ち上げました。(中略)

その「場所」は、昔どんな力として顕現していたのでしょうか?
いま、どんな顔をしているのでしょうか?
明日は、何になりたがっているでしょうか?

「場所」の気持ちになって、「場所」の目線で考えるという、この感覚。 こういう感覚をいままで自分は持ちえていたのだろうか・・・。平田さんのようにありたいなあと思うことしきりでした。

WEBやブログを見るだけで元気がわきでてくるようなヒミングの活動。場所の声に耳を傾けることからすべてが始まっているからこそ、なのですね。

【12/17追記】

地域のアートプロジェクト、もしかするとアートありきの場合が多いんじゃなかろうか。あるいはアートと地域(場所)を別個のものと考えているか。だから、「アートを使った地域振興」という発想が生まれ、その<使う>という言葉に対する反発が生じる。

平田さんのいう<プレイスリテラシー>は、逆の発想。場所を読む、場所を感じるのだ。空間から地域ネットワークまでを含む有形無形の 「場所」。これを過去・現在・未来それぞれの視点から、いかに「読み解く」か。
ここに持続的な地域活動のポイントがあると、平田さんはおっしゃっている。

【場所】を読み解く力と、アートの持つ力=「繊細な受信機能と爆発的触媒力」の連鎖が、「アートの目を通して、循環型地域社会をめざす」ヒミングの活動に、実に豊かに結実している。

急がず腰をすえて、【場所】が欲しているものを、アートの目を通して考える。それをアートが形にしていく。
「船大工の技を残すことは「アート」だと思っている」という平田さんの言葉には感じ入った。氷見という場所が発信していた<船大工の技を残さねば>という声をキャッチし、それを現実の形にしていく。これがアートと言われてみれば、なるほど、至極もっともなのである。

▼第48回リレーコラム 「場所の感覚/ドリーミング」

「KAIZENプロジェクト」採択企画定期レポート掲載中

2008年12月9日

トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」では、7/12の最終選考会(公開プレゼン大会)で採択された企画からのレポートを、公式サイトに掲載しています。

本日は、「新人振付家育成のためのスタジオシリーズ」 を提案した山崎広太さんのレポートをアップしました。みなさまからのご意見を募集中とのことです! ぜひご覧ください。

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▼「トヨタ芸術環境KAIZENプロジェクト」公式サイト 定期レポート掲載ページ

「公益法人制度改革」(2)

2008年12月3日

12/1ブログに続き、新公益法人制度の情報収集に大変有益なサイトを紹介します。

▽財団法人公益法人協会(公法協) http://www.kohokyo.or.jp/

今回の制度改革に対し、さまざまな提言を行ってきた公法協。WEBには各種お役立ち情報が満載です。公益社団・財団のモデル定款、制度改革の概要、コラムなどを掲載。「公益認定に向けて=公法協の申請日記」も注目です。

「公益法人制度改革」

2008年12月1日

本日2008年12月1日、ついに「公益法人制度改革関連三法」が施行となる。なんと110年ぶりの制度改革(詳細)。既存の文化、芸術系公益法人(財団・社団)もたくさんあるし、NPO法との関係も常に取りざたされる新制度なので、アートマネジメントとも大いに関係ある。情報収集必須だ。

▼国・都道府県公式:公益法人行政総合情報サイト「公益法人information」 ※旧「公益認定等委員会」サイトはこちらに統合)

これまで主務官庁の許可を得ないと設立できなかった公益法人が、今後は登記のみで設立可能となる。ただし、これは「一般法人(一般社団・一般財団)」の場合。税制等の優遇を受けられる「公益社団・公益財団」になるには、「公益性」の高さを第3者機関に認定されなければならない。

今回の制度改革で課題視されているのが、改革のそもそもの動機が、公益をかくれ蓑に悪いことをしたり天下りの受け皿になってきた一部の法人の規制に端を発していること。この100年で、日本社会における「公益活動」がどのように変わったのか、現代社会にあった制度とは何か、他の国々と比較して公益法人に対する税制優遇等は十分な水準かといった議論から制度改革要望のうねりが巻き起こったわけではない。また、公益認定を受けるための膨大で煩雑な手続きも問題となっている。

官では行き渡らないし営利組織は手をつけない、でも社会が必要とする公益活動に地道に取り組んできた団体にとっては、今回の制度改革は決して「明るい未来の到来」とは言えないかもしれない。そして、もしかすると、芸術文化系の団体は、自らの活動の「公益性」を客観的に説明することが、他の分野より厳しいかもしれない(断定はできないけれど)。

だからこそ、アートマネジメント関係者も新公益法人制度にもっともっと関心を持つ必要がある。たくさんの芸術系公益法人が、規模は小さくても、意欲的に堂々と、社会の中で活動できる将来にしていくために。