ネットTAM

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名古屋セッション 

アートで、つながる

―芸術活動と地域社会を結ぶ橋渡し役・アートマネジメントの真相とは―
開催日: 2002年1月 13・14日
開催地域: 名古屋
会場: 愛知芸術文化センター
ジャンル: 総合
参加者数: 240人
コーディネーター: 愛知県文化情報センター 中村章子

名古屋で2回目となった今回は、アートマネジメントを考える際、最も重要な課題のひとつである様々な"つながり"をテーマに、合同セッションと1.「アウトリーチについて」2.「ネットワークの構築について」3.「企業メセナへのアプローチ」の3つの分科会で参加型の討議を行った。参加者は113名と定員を上回り、その内の40%の方が県外からであった。これは各地でアートマネージャー志向の輪が着実に育ってきている証であり、過去約5年にわたり全国で既に40回も行われてきた、TAMの成果でもあると言えよう。また、参加者層が、実際に企画・制作等にたずさわる実務経験者の方が多かったのもひとつの特徴であった。事前に参加者から募った仮の企画書をもとにプレゼンテーションを行ったワークショップは大変好評で、参加者からは「時間が足らなかった」「もっと深く話し合いたかった」などの熱いコメントがアンケートで寄せられた。

各分科会の概要は、1.では、ワタリウム美術館や小出郷文化会館における斬新なアウトリーチ活動の事例紹介と、グループ課題研究が行われた。2.では、地域社会・市民・自治体とのつながり、行政とのつながり、同種の活動拠点同士(劇場間など)の基礎的な各ネットワークが機能するためのアートマネージャーの役割として、ひとりひとりが主体的に関わり、自分の能力を出せる場をつくっていくことの重要性が提示された。3.では、メセナ支援申し込みのケーススタディと、それに対する企業側の率直な印象が述べられるなど、全体として参加者にとって今後の企画制作等に大変参考となる講座であった。

[愛知県文化情報センター 中村章子/02年9月]

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